『魔弾戦記リュウケンドー』10話「西から来た怪物」

ご町内の皆さんが「アノマロカリス」に頭をかじられるという怪事件が多発!

この導入部で既に訳が分からないのですが、舞台となる町は日常的に「魔物被害」を受けているという設定なので皆さんそれほど動じません。
飲食店の店主は米びつを被り、小学生は自転車通学用のヘルメットで頭を防御してやりすごします。
アノマロカリスの群れが独特の形状をした足をはためかせて空中を飛び迫りくる中、「エビチリになりやがれえ!」などと叫びそれらを迎え撃つ主人公。
さらにはサクラ大戦みたいなハカマ姿の女性まで参戦し、木刀で「奇妙なエビ」を引っ叩いてゆきます(この番組の原作者は広井王子です)。
大量の援軍が空中を埋め尽くしたときには皆が絶望しかけるが、主人公の氷結魔法で一網打尽。町には季節外れの雪が……。
なかなか綺麗なシーンなんですけど、「この雪、エビ臭くないか?」という台詞で何ともいいがたい空気が漂って〆。
なにこれ。

この番組、ヒーロー物としては演出や敵キャラの造形がユルユルすぎて見るに耐えないことがあるのですが、こういう変なエピソードがたまにあるので視聴を打ち切れません。
シャンゼリオンをリアルタイムで見てた人もこんな感触を味わっていたのかもしれませんね。

(2006年春ごろに書いたメールから)
初期はかなりネタ目線で見ていた番組ですが、44話「閉ざされたあけぼの町」に顕著なあけぼの町民の暖かさ、最終決戦後に好敵手ジャークムーンとの決戦、相棒である魔弾龍との別れにそれぞれ1話ずつ費やすという他に例のない構成など、今では大好きな作品です。

(2011年9月24日追記)