『ハンチョウ』シリーズ4 第8話 「ニセ安積が現れた!しかも犯人まで逮捕!?」

たまたま目にした『ハンチョウ』が面白かった。
正義感は強いが職を失い、妻から弱い男と詰られる冴えない男。彼は町の不良を叱りつけるために安積警部補の名を騙っていたが、やがて友人を助けるために偽刑事として殺人事件を追うことになる。
「一般人が憧れから偽ヒーローになる話」と捉えると、ヒーローもののファンは既視感を覚えるのではないだろうか?
ニセ安曇が友人の身を案じ、ネクタイをはためかせて夕日の街を疾走する場面はテーマ曲までかかってまるで主人公。のちに真犯人に捕えられたところを安積に救われ、「本物はすごいなあ」と慨嘆する。「なりきりヒーローもの」のパターンに忠実な作りといえるのでは。
ダークナイト」のなりきりバットマンはジョーカーに殺されるが、本作は人情刑事ものなので当件は解決するし職も見つかって大団円。
元・ニセ安曇は一般人に戻っても正義感を失わず、本物と敬礼を交わして別れる。「ヒーローにならなくても善行は為せる」と示すところに作り手の優しさがある。
熱心に見ている番組ではないが、丁度「一般人のヒーロー願望」のことを考えていたタイミングでこういう話に触れられたのは妙な感動を覚えてしまった。

Twitterより抜粋)