ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』

昨日はボルヘスの誕生日。TwitterのTLに「ボルヘスの〇〇は××の元ネタ」という話題がいくつか流れてきたので、挙げられた作品をつまみ読みしてみた。

  • 「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」
    • 百科事典に「だけ」載っている地名、ウクバールとトレーンの謎。実在しないはずの街が、国が、言語が、文化が、現実を侵食する。『ウルトラマンガイア』29話「遠い街・ウクバール」はここからの引用らしい?
  • 「円環の廃墟」
    • 廃墟の神殿でひたすら眠る男。夢の住人をする現実に連れ出そう描写されるの試みは成功したのか。『インセプション』のC・ノーラン監督が読んだというボルヘスの短編はこれらしい?夢の世界を確固たるものに儀式めいた作業が行なわれる点は確かに通じる。
  • 「バベルの図書館」
    • 「(他の者たちは図書館と呼んでいるが)宇宙は、真ん中に大きな換気孔があり、極めて広い手すりで囲まれた(略)」
    • あらゆる書物を所蔵しているが、広大さゆえに求める本には辿り着けない無限の図書館。伊藤計劃『ハーモニー』の全書籍図書館(ボルヘス)はこれが元ネタらしどくべき、または読んでるはずというか「図書館が出てくるSFリスト」を「バベルの図書館」で単語検索するといいと思います。図書館に単なる施設以上の思い入れを持ってる人は読んでおくべき。http://t.co/vcvuAD3

ちなみにハーモニーとガイアは未読・未見。「ボルヘスに影響された作品の一覧」とか、誰かまとめていないものか。